ブログを始めました!
こんにちは!いつもホームページをご覧頂き、ありがとうございます。
すっかり春らしい暖かな陽気となり、新年度がスタートしました。皆さんの周りにも新しい動きが芽生える頃でしょうか?
私、森麻季もこの4月からブログを始めることとなりました。公演などのご報告や日頃気になること、うちの猫のご紹介などが出来ればと思っております。
時間の許す限り、一生懸命書きますので、お時間のあるときにでも、ちょっとのぞいてみてください!
こんにちは!いつもホームページをご覧頂き、ありがとうございます。
すっかり春らしい暖かな陽気となり、新年度がスタートしました。皆さんの周りにも新しい動きが芽生える頃でしょうか?
私、森麻季もこの4月からブログを始めることとなりました。公演などのご報告や日頃気になること、うちの猫のご紹介などが出来ればと思っております。
時間の許す限り、一生懸命書きますので、お時間のあるときにでも、ちょっとのぞいてみてください!
春らしくなって!などと言ったばかりですが、ブログを始めるにあたって、まだ記憶に新しい(!?)昨年12月1日、2日に行われた「月の世界」(北とぴあ国際音楽祭)から振り返りたいと思います。
ハイドンのオペラというと日本ではあまり上演の機会もありませんでしたが、モーツァルトやロッシーニに多大な影響を与えたと思われる「月の世界」は本当に楽しい、美しいオペラでした。
今回初めてご一緒させて頂いた野々下 由香里さん、フルヴィオ・ベッティーニさんを始めとする、素晴らしい共演者のあまりに美しい歌唱、芸達者な演技、寺神戸 亮さん率いるレ・ポレアードも最高でした!
そして本番のホールを使って、オケ合わせや、HP、GPと練習を重ねられたことも、この公演の成功の鍵を握る大きな要因だったと思っています。これはいつも温かく、きめ細やかにサポート頂けた北区文化振興財団の皆さんのおかげです。
そして音楽のみならず、視覚的にオペラをさらに盛り上げたのは、演出の三浦 安浩さんと衣裳の加藤 礼次朗さんです。このお二人が今までに見たことのないような斬新で楽しいオペラに仕立て上げてくださいました。
私はおかげで、ますますバロック・オペラが大好きになりました!
皆さま本当にありがとうございました!!
(第1幕フラミニア役の衣裳)
(厳しいお父さんに縛られ、自由の利かない様を鎖と鍵が示しています)
12月9日にはグランシップ&静響クラシックコンサートシリーズと題するコンサートで、モーツァルトのハ短調ミサのアリア、モテット、ヴェスペレのアリアなどを歌わせて頂きました。
堤先生の指揮は、テンポもオーケストラとのバランスも、歌い手に優しく、まさしく先生のお人柄そのものだといつも感じます。
そして先生のご指導のもと、オーケストラは瞬く間にイギリスや、北欧の香りを漂わせるバロック・オーケストラのようなしっとりとした響きに変わるのでした。これもまた見事な演奏でした!
歌い慣れたつもりの曲も、オーケストラの響きによって、また新たな発見があり、音楽の奥深さの探求は生涯続くのだろうと実感させられるこのごろです。
堤先生、静響の皆様、ありがとうございました!
12月10日からはバッハ・コレギウム・ジャパンの皆様と共に、モーツァルト生誕250年記念 特別演奏会として、モーツァルトのヴェスペレとレクイエムを4公演歌わせて頂きました。
![]()
(写真左 鈴木 雅明先生)
尊敬する鈴木 雅明先生を始めとするコレギウムの皆さんの演奏は、本当に毎回脱帽でした。
特に、一人一人がソリストと言っても過言ではないコーラスの皆さんの、透き通った美しいハーモニーは、本当に心に染み入りました。一般的なモツレクでは聴くことのないアンティフォネもまるで教会にいるような神聖さでしたし、マエストロのご指導のもと、言葉を大切に、意味を具現化するように心がけて、あの空間にソリストとして歌えたことが本当に幸せです。
これは聴きに来てくださった方、出演者にしかわからない秘密ですが(!)モツレクの終わり方に、あのような崇高な表現があったとは!! 本当に驚くばかりです。
また皆様と共演できる日を心待ちにしつつ。。。
素晴らしい演奏、そして機会を頂き、ありがとうございました。
(写真左より マリアンヌ・キーラント さん、森、鈴木 雅明先生、アンドレアス・ヴェラーさん、ドミニク・ヴェルナーさん)
2007年1月1日はNHK BSにて「日本うた絵巻」が放送されました。
抒情的な美しい富士山や月の日本画と共に、ふじの山、おぼろ月夜などを歌わせて頂きました。
その収録の際に合わせて、大好きな着物を着ましたので、
改めまして、今年もどうぞよろしくお願いいたします。
今年の1月はウィーンに始まり、同じシュトラウス・フェスティヴァル・オーケストラの皆さんと共に、越谷、東京、横浜、西宮、京都、豊田、佐世保の7カ所をツアーしました。
ウィーン気質の陽気な音楽、オーケストラの皆さんも演奏のみならず、たくさんの楽しい趣向をこらし、皆さんの良く知るうっとりするような美しいワルツの数々、と盛りだくさんでしたから、お客様にもとても喜んで頂けました。
私の方はウィーンから帰って、人生初の4日間連続公演ということもあり、いかにベストなコンディションを保てるかということも課題でしたが、皆さんとお客様の楽しんでいる雰囲気に乗って、アンコールまで高音のカデンツァを繰り返したり、今まで歌ったことのない高音にチャレンジしたりと、私自身も心から楽しめる公演となりました。
ウィーン公演大成功のすぐあとだったので、オーケストラの皆さんとも打ち解けて、ツアー最終日にはみんなで涙のお別れをしました!皆さんおつかれさまでした!!
そして本当にありがとうございました!!!
また楽しい公演でご一緒できるのを楽しみにしております!
1月19日はバッハの教会カンタータ『もろびとよ歓呼して神を迎えよ』BWV.51を新日本フィルハーモニー交響楽団の定期演奏会で歌わせて頂きました。
今回は難曲のバッハカンタータで、歌うこともさることながら、アンサンブルやバランスをとるということも決して容易ではなく、試行錯誤を繰り返しました。
でも新日本フィルとの公演は、いつもトリフォニーという響きの素晴らしい大ホールで、マエストロのお稽古も含めて3日間たっぷりと練習できるので、その間に色々な発見や、勉強ができ、充実した演奏を作り上げることができます。
練習の間ずっと、バランスを聞いてくださる方や発音をチェックしてくださる方がいて助けて頂き、マエストロ・アルミンクには、さらに多くをご指導頂きました。
おかげで本番ではオーケストラの皆さんや、トランペットのヘルツォークさんともぴたりと息が合い、今まで私のアジリタ(16分音符が連続するような速いパッセージ)も、ただテンポを追うだけだったのが、テンポの中で自由な音楽を描けるようになりました。それを即座に捕らえて同じように返してくれたコンマスの方の演奏は本当に見事で、何と嬉しかったことでしょう!
華やかなアリアに続いて荘厳なアリア、こちらもチェロとオルガンの絶妙なテンポに支えられて長い息のフレーズも美しく仕上がり、最後にまた華やかなアレルヤと、やはりバッハは偉大だなぁと痛感しつつ...
マエストロ、そして新日本フィルの皆さん、本当にありがとうございました!!
2月4日は、NHKの「あなたが主役 音楽のある街で」という番組の収録がありました。
当日は私はゲストとして参加させて頂きましたが、オーケストラとの共演をソロとして初めて果たす方達の意気込みと緊張が伝わってか、私も学生の頃や初めてオーケストラと歌った日のことなど、走馬灯のように浮かんできて、とても緊張しました。
何度も舞台を踏んだ歌い慣れた曲でさえ、緊張すると途端に自分を疑い出し「次の歌詞は何だっけ、その次は?」とどんどん追い込まれていきます。いつもと若干違うテンポ、ナノレベルと言えるくらいの微妙な間が、先ほどまで疑うこと無く流れていた歌詞に、疑問を持たせる時間を作ります。
こうなってしまうと、私の場合、もう頭では考えられなくなってしまいます。
そんなときに頼れるのが、口や舌の動き。良く体で覚えると言いますが、頭が真っ白になった時は、口や舌が次にどう動こうとするかに集中します。すると次の歌詞を歌うタイミングで不思議と言葉が出てくるのです。一つ出てくると緊張はかなり和らぎます。
ほんの1秒にも満たない時間なのでしょうが、思い出せない間はとても長〜く感じます。
舞台の緊張は人それぞれとは思いますが、私にとってはこんな緊張が一番恐ろしいので、練習を繰り返して、反射的に歌詞が出るまで、体に覚え込ませるしか方法がありません。
舞台に上がってしまえば、すべて自己責任。自分を生かすも殺すも全く自分次第。気持ちの持ちよう一つで声が出なくなったり、素晴らしい表現が出来たり。とっても恐ろしいけれど、だからこそうまくいった時の喜びも一入(ひとしお)です。
勉強がまだ足りないと思っているときには、試験会場に行って、自分が勉強していないところが出て、問題が全く解けないような夢を見たりして、眠れなくなったりします。
記憶力もかなり衰えて来た上に、覚えなければいけない絶対量が増え続けていますが、一生受験生と思ってがんばろうと思っています!
私が夜中まで勉強している時も、受験勉強のように暗譜している時も、そばで寝息を立てて、時々「ちゃんと勉強してる?」と言わんばかりに目を開けてこっちを見て、そして何よりずっとそばにいてくれるのが、私のお気に入りのブリューテちゃんです。
![]()
私がドイツに留学している時にブリューテたち(5つ子です)が産まれました。そのときに勉強していたリヒャルト・シュトラウスの、Du meines Herzens Krönelein(きみは私の心の小さな冠)という歌曲に「森に咲く花は自分の美しさを知らないけれど、そばを通りかかった人(見る人)の心を喜ばせる」というくだりがあって、その花にあたるのがブリューテで、私にとっては(親ばかですが)見ているだけで、そばにいるだけで本当に幸せな気持ちになれる、大切なブリューテちゃんです。
![]()
双子のデルフィーとは同じ格好で寝たりします。
何とも心の和む2人(!)なのです。
2月12日はフィルハーモニックアンサンブルの創立30周年記念という大切な公演で,大好きなリヒャルト・シュトラウスの「4つの最後の歌」を歌わせて頂きました。
私の方は初めてこの曲をオケと歌うということもあり、そして大編成のため、一般的にはドラマティックな声の方が歌うということもあり、芸劇の大ホールできちんと声を聞かせられるだろうかという心配もありましたが、小松先生のアンサンブルの熱心なご指導のもと、私の声と歌い方にぴったりと寄り添って頂き、無事に歌い終わりました。
この4つの最後の歌は、お客様の中にもこよなく愛すると思われる方がいらして、私が歌う一言一言を噛み締めるように、うなずきながら聴いてくださる方も見えましたし、3曲目あたりからは(私も特にBeim schlafengehen 眠りのときと、Im Abendrot 夕映えのときが大好きです)あちらこちらに曲の素晴らしさに涙する方が見られました。超難曲を本当に涙が出るように演奏してくださった、小松先生、オケの皆様に深謝いたします。
そしてますますのご発展をお祈りしております。
2月15日は聖響くん指揮、都響の皆さんともモーツァルトのモテットとスザンナのアリアなどを歌わせて頂きました。
聖響くんとは思えば10年以上前からご一緒させて頂いていて、最近では良くモテットなどといった、バロックの作品を歌わせて頂いておりますが、絶妙なテンポ感、そしてオケと歌を一番良い形へと導いていく音楽性にいつも驚かされます。
例えばモテットなどはテンポの速い部分があり、そして中間にゆったりとしたところがあり、同じ演奏者でもその日のコンディションや音楽へのアプローチによって微妙にテンポが変化するのですが、それをぴたりと見抜く技(?!)はお見事としか言いようがありません。
彼の指揮は相乗効果を得られるというか、自然な音楽の美しい流れへと導いてくれて、その中で安心して、より良い形で自分の音楽を引き出すことができます。
今回はすぐ前に「4つの最後の歌」という、私としては重めの大曲を歌ったということもあり、今までより深く、太めの線に作っていったのですが、オケ合わせの時からそれを即座に生かしてくださり、そして都響の皆さんも崇高なモーツァルトを奏でてくださいました。
私がオケの皆さんと歌っていて「幸せだなぁ」と思う瞬間がいくつかあります。
自分がフレーズを丁寧に歌ったり、音楽的に特徴を持たせて歌ったときに、それをオケの方が聴いてくださり、即座に演奏で返答してくれることがその一つなのですが、都響の皆様はいとも容易くその幸せな瞬間を何度も実現してくださいました。聖響くん、都響の皆様、本当にありがとうございました!
日本のお客様の中には海外の一流オーケストラ、指揮者の演奏は何よりも素晴らしいと思われている方も多いようですが、柔軟な音楽性と高度な技術を持った日本のオーケストラ、指揮者が、世界に劣るとは全く思えません。
日本以外の国々が、自国を誇り讃えるように、日本の素晴らしさにもっと気づいて頂ければと願っております。
7月には聖響くんとアンサンブル金沢の皆さんとともに、宗教曲のアルバムを録音させて頂くことになっております。物質的には恵まれていても、精神的に幸せと思えない人が増えている中、そして未だに戦争で尊い命が失われ続けている中、私に出来る一つのお祈りとして神聖な音楽を録音したいと思っております。年内リリース予定ですので、どうぞご期待ください。
![]()
©Frank Höhle
2月27日にはドレスデン聖十字架合唱団&ドレスデン・フィルの皆さんとバッハの教会カンタータ「わが心に憂い多かりき」BWV21とモーツァルト「レクイエム」を歌わせて頂きました。
この日は本当はペーター・シュライアー氏が指揮の予定でしたが、来日前に怪我をされて、いつもドレスデン聖十字架合唱団の音楽監督として共演されているクライレ氏が指揮をしてくださいました。合唱団の声は、まさしく天使の声というか、闇の中に差す一筋の光のように崇高で、マエストロの熱い指揮(すべてのパートをご一緒に歌われて、たてるべき言葉を少年たちを見ながら発語されて、そして悲しみにうちひしがれたところでは、本当に心痛めてお振りになって、マエストロを見ているだけでもすべてのドラマを演じてくださっているようで感動しました)のもと、私も彼らの声に導かれて、天から降り注ぐ光のように歌おうと心がけました。
![]()
©Frank Höhle
彼らは日本のみならず韓国などもツアーされて、日本に来てからも連日の公演で前日までには練習などが出来ませんでしたが、このバッハのカンタータは私にとって初めて歌うもので、アリアや重唱ととても美しい、責任重大な箇所があるので緊張しておりました。
![]()
©Frank Höhle
でもクライレ氏のご指導のもと(写真右のヨッヘンさんとは、以前にバッハ・コレギウム・ジャパンの公演でもご一緒していて、フィッシャー・ディスカウを思わせるような完璧な発音と表現に憧れているのですが)ヨッヘンさんと世にも美しいイエスとの2重唱が歌えてとても幸せでした。
![]()
©Frank Höhle
今年の復活祭前の聖金曜日(4月6日)はドレスデンにいたので、本場の聖十字架教会で彼らのマタイを聴きました。
キリスト教徒にとってはイエスが受難を受け亡くなられた特別な日であるので、教会には満席状態の4000人を超える人々が集まり、荘厳な雰囲気の中、演奏が行われました。
特別な日ということもあり、演奏後にも拍手が無く、イエスが受難を受けたところでは私を含めてすすり泣く方をたくさん見かけました。本当に胸を打つ公演でした。
(マタイ受難曲は学生の頃、小澤征爾さんのサイトウキネンでの公演で、合唱ですが(!)先輩と共に暗譜をして歌った思い出もあり、聴くたびにどうしても泣かされてしまう特別な曲なのです。)
また日本公演を楽しみにしております。
クライレさん、そしてソリストの皆さん、そして天使の合唱団の皆さん、崇高なひとときをありがとうございました!
3月22日、4月9日とドレスデン国立歌劇場で「ばらの騎士」のゾフィー役に出演させて頂きました。まず、公演までの道のりをお話しします。
私にとっては初めてのドレスデン国立歌劇場でのゾフィーとあり、たくさんの戦いを強いられました。
曲が難しい!!!
有名な2重唱や3重唱は以前に歌ったこともあり、メトなどでも公演を見たことがあり、ばらの騎士に関しては「大好き!」「すごくきれい!」というイメージで過ごしていたのですが、実際すべてを歌おうとすると、何と難しいオペラなのでしょう!
音もリズムもハーモニーも、私にとってはかつて無いほどの難曲でした。
普段なら楽譜を見て、CDなどの音源を聴いたり、そして自分で伴奏のパートも弾いたりしながら楽しく勉強できるのですが、今回はとても手強い相手でした。勉強しても、勉強してもなかなか体に入らず、果てしなく大きく険しい山に挑んでいるようで、公演までは毎日本当につらい日々でした。
ハーモニー的にぶつかるような音も多く、始めの頃は歌っていても正しいのか正しくないのやら不安で、絶対音があるので音をとることには自信があったのですが、根底から覆された経験でした。
何しろ言葉が多い!!!
ばらの騎士を詳しくご存知の方には、うなずいて頂けると思いますが、お父さんとも戦い、婚約者とも戦い、最後には元帥夫人にまで言い訳をし。。。と何しろすごい早口でしゃべりまくる(音はありますが)所があるのです。それが決まればドラマ的にはかっこいいのですが、歌う方は必死です。勉強中で、歌うのがやっとというときには、これを本当に舞台で、それもドイツの伝統ある国立歌劇場できちんとできるのだろうかと、毎日胃の痛む思いでした。
続く。。。
出ずっぱり!!
今まで私が歌って来たオペラは、重唱やアリアがあっては舞台から引っ込み、また心を入れ替えて次の場面に臨めるということが多かったのですが、この役は舞台に出たら出ずっぱりなのです。2幕などは有名なばらの献呈の2重唱までにまずしっかり歌って、引き続きのオクタヴィアンとの2重唱が2つ、さらに婚約者オックスが来てからも歌って、彼がいなくなってからまたオクタヴィアンとの2重唱。。。とずっとつながっていきます。歌自体も結構ハードな上に、オーケストラも厚いので気力と体力もかなり要求されました。
練習が無い!!!!
ドレスデンではその期間リヒャルト・シュトラウスの全作品を毎日代わる代わる上演していたので、舞台の空く日が無いのです。もちろんオーケストラも毎晩公演していますから、練習が出来ません。私をのぞいては大ベテランの歌手が勢揃い。各々の役のスペシャリストと言っても過言ではない方々ばかり。他の公演にも出演されている方も多く、練習に人が集まれません。もちろん十分な説明は受けていましたが、うまくできるんだろうか、オケや他の大歌手の皆さんと共に歌って、バランスを欠くことがないだろうか、緊張のあまりパニックになって、何も歌えなくなったりしないだろうか。。。など、心配しても仕切れないほどの要素があり、前日まで本当に切羽詰まっておりました。
続く。。。
一番緊張が募ったのは初日を迎える前の3日間でした。
劇場というのはたくさんの人が出入りするところで、空気の入れ替えも無いところですから、風邪なども流行しやすく、緊張とプレッシャーにまして、体力も低下していたのでしょうか、何と初日3日前に高熱でダウン。大切な時期に!!今までの苦労は。。。と思いながらも何しろお医者様に見て頂きました。
お医者様曰く、熱を下げてしまうとヴィールスが余計に繁殖するので、何しろ安静にして、温かい飲み物をとって、自然に熱が下がるようにしなさいといわれました。
もちろん大切な時で、練習もあったのですが、お医者様からも止められ、他の方に移してはいけませんし、その日は練習を休みました。
熱はどんどん上がり、ぼーっとして何も食べられず、ずっと続けて来た練習も休まなければならず、とても悲しい気持ちでした。でもそれよりも今までの緊張と疲労がどっと押し寄せたのか、とてもだるくて、起きてはいられませんでした。
死んだように(?)寝入って、次の日起きると、37度くらいに熱が落ち着いてきました。
1日は安静にといわれていたので、ゆっくりしていましたが、夕方からのお稽古では完全復帰!
共演者の皆さんも、劇場の皆さんも「元気になった?」「良かった良かった!」と温かいお言葉を頂き、幸い声の調子は良かったので、ほっとして練習を終えました。
続く。。。
3月21日は初日前日とあり、緊張の最頂点を迎えました。
ずっと練習をして来て、自分のものとなっていたつもりが、ふと相手の反応に歌詞が出なくなったり、やはり練習が足りなかった。。。などと思い、押しつぶされそうになりながら、午前中のお稽古が終わりました。テレビの取材なども入っていて、明日は公演の模様も収録されるというのに。。。緊張は募るばかりでした。
夕方にはマエストロ、準・メルクル氏から「まだ合わせをしていない2重唱や3重唱をやりましょう」といわれていて、緊張の面持ちで練習に向かいました。すると他のキャストの方はどなたもいらっしゃらない。皆さん連日の本番で明日の公演を控えて、お休みされたようでした。
私はラッキーにも、自分の歌うすべてのパートをマエストロとゆっくり勉強できる機会を得ることができました。
ピアノでのお稽古でしたが、マエストロ直々にご指導頂き、ドイツ語も最終チェックをして頂き、音楽的にもたくさんのアイデアをご指導頂きました。何が起こっても、マエストロをしっかり見ていれば、安心して舞台に立てる!と思ったとたんに、肩の力が抜けて、今まで練習して来た通りに、自分を信じて歌う勇気が沸きました。
いよいよ3月22日の公演日を迎えました。
昨日までの緊張もほぐれて、いよいよ!という気持ちでこの日を迎えました。
公演当日の写真を交えながら、当日を振り返りますね。
Faninal役のゾフィーのお父さんが、「今日は厳かな、大いなる日、神聖な日だ!」とゾフィーの婚約者を迎える日を讃えて2幕が始まりますが、まさに私にとってもドレスデン国立歌劇場のデビューとなる瞬間で、この言葉が心にしみました。
©Yutaka Nakamura
ゾフィーは心驕ることなく謙虚でいられますようにと、何度も歌います。
©Yutaka Nakamura
美しい2重唱が始まりました。「まるで新鮮なばらのように強い香りがします」と初めて素敵なオクタヴィアンに会って、ドキドキしながら歌います。本当に初めて歌う、ゾフィーの聴かせどころとも言えるところで、本心からドキドキしました。
©Yutaka Nakamura
「あなたのことはもう良く存じています」と恥ずかしがりながら、オクタヴィアンについて知っていることを打ち明けます。ますます素敵で優しいオクタヴィアンに惹かれていきます。
©Yutaka Nakamura
続く。。。
いよいよ婚約者が現れました。男爵さまと聞いていたけれど、何という振る舞いかしら!と戸惑うゾフィーに養育係のマリアンネが、立派な騎士は格式張らずに、ざっくばらんな振る舞いをするものです、となだめます。
©Yutaka Nakamura
©Yutaka Nakamura
オックス男爵が近寄って「結婚で一番楽しみにしているのは何だね?」と聞き、ゾフィーは「何を考えていらっしゃるの?」と答えます。ゾフィーにとっては呆れた、びっくりするようなことばかり言われます。
オックスが「ほぅわしの好みだ」「ひな鳥のような肩」「肉はちと薄いがまぁいい」
「だが輝くような白い肌は気に入った」などと勝手なことばかり言います。ゾフィーにとっては最悪な婚約者でした。
調子に乗ったオックスの不躾な態度はエスカレートし、ゾフィーは耐えられなくなって「手を放して、あなたは一体何なのです!」と訴えます。
続く。。。
そして初めてのキス!
2人が仲良くしているところを捕らえられて、オックス男爵が現れ「さてお嬢さん、これはどういうことかね?」と問いただされます。
何を言っても聞かないオックスにオクタヴィアンが決闘を挑み、オックスが傷を受けます。実際はかすり傷なのに「人殺し!」と大げさに騒ぎ立てます。
そこへゾフィーの父ファニナルが戻り「新築のわしの屋敷で、こんな不始末が起こって。。。」と嘆き、娘の幸せより世間体を重んじる彼は「絶対結婚するんだ!」とゾフィーに命令します。
ここからが4月14日のブログでもご紹介したお父さんとの言い争いとなります。
必死でしたが、忙しい言い争いの間の出入りも決まり、なんとかうまく行きました。
私の「いや!」と言っている顔もすごいですが、写真右のお父さんのびっくり顔が何とも印象的でした。
続く。。。
3幕になって、元帥夫人が現れます。すべてを「ウィーン風の仮面劇、それだけのこと」「この縁談とそれにまつわる出来事はすべて終わり」とあしらいます。ゾフィーはオクタヴィアンとの恋もすべて終わるのだわと嘆きます。
最後には「私たちがこうして一緒にいられるなんて、夢のよう」と美しい2重唱を歌います。
そして最後のキスをして、幕を閉じます。
©Yutaka Nakamura
大歓声の中、カーテンコールです。
©Yutaka Nakamura
写真左よりオックス男爵役のクルト・リドルさん、元帥夫人役のゾイレ・イソコスキさん、オクタヴィアン役のゾフィー・コッホさん。いずれもトップスターの皆さんにも関わらず、本当に優しい、楽しい方達でした。
思えば、緊張もプレッシャーも、憧れの大歌手の皆さんに支えられて、彼らの隣で同じ舞台に立てる喜びで満たされて、舞台を終えることができました。
いつも「うまく行ってるね、素晴らしいね!」と励ましてくださった皆さんに、心から御礼を申し上げます。
©Yutaka Nakamura
写真右 マエストロ 準・メルクル氏
そして舞台の間、ずっと支えてくださったマエストロ・メルクルにも心から感謝を込めて!!
この公演の一部が『世界一やさしいオペラ入門 ドレスデンオペラで女を磨く』として5月12日(土)10:30-11:25 日本テレビ系列で放送されます。
そして11月18日、23日、25日には日本公演がありますので、どうぞお楽しみに。
昨日は大和高田さざんかホールでのリサイタルでした。初めて伺いましたが、1040席の美しい、素晴らしい響きのホールでした。今回は新緑の季節という事もあって、天地創造のアリアを2曲入れました。1曲目は「新緑が目を喜ばせ、花が優美な眺めを引き立て...」2曲目は「力強い翼で鷲(わし)は誇らしげに舞い上がり、風を切って太陽へといち早く羽ばたく、雲雀(ひばり)は楽しげに歌い、鳩は静かに愛をささやく」と歌うものですが、自然の恵みは本当に有り難いものです。お天気が良く、清々しい風が吹くだけで気持ちまで清々しくなりますから。
コンサートには大和高田の方々のみならず、たくさんの方にお越し頂き、ほぼ満席状態でした。熱気あるお客様に支えられて、公演を無事に終えられました!
今回は特に華やかなイタリア・オペラでは拍手を多く頂きましたが、地域によってお客様の関心ある曲が違って、様々な反応を頂けるのも、楽しみのひとつです。
皆さまありがとうございました!!