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2010年5月 アーカイブ

2010.05.06. Thu

ミーニョンとデルフィ


また悲しいお知らせです。
5月4日の朝、デルフィが旅立ってしまいました。
もう何年も腎臓が悪くて、毎週お医者さんに通っていたのですが、土曜日に急に足が腫れてしまい、3本足で歩き始めました(訂正ありがとうございます)。土日祝日はいつも通っているお医者様がお休みで、救急のところに行ったのですが原因が分からず、次の日同じく土曜日に足が腫れたけれど元気になったという猫さんを飼っているからご紹介を受け、月曜日に新しい獣医さんを訪ねました。血液検査などで、腎臓が悪いことから血流が悪く、心臓に負担がかかり、心臓が悪くなって血栓が出来てしまったことを知らされました。血栓は3日目なのでもうとれないでしょう、他のところにも出来やすい状態で、もし脳などに出来ると命に関わるともいわれ、事の重大さを知りました。今まで腎臓ばかりが悪いと思い込んでいたので(他に旅立った子も皆腎臓が悪かったので)腎臓の数値ばかりを気にしていましたが、その日計った血液検査では3月の結果よりもずっと安定した状態で腎臓はそれほど悪くなかったこともわかりました。

日曜日から急に元気が無く、ご飯も食べられなくなってしまい、だるそうに寝ているばかりでしたが、お水をあげれば少しは飲み、いつも食べている柔らかい缶詰をミキサーで飲めるようにして、スポイトでお口に入れてあげると、吐かずに少しは食べてくれました。
ほんの少しずつですが1時間に2回くらいずつお水をあげたり、ご飯を含ませたり。
明け方になるとレオがいつも咳をして起きるので、背中をさすってあげたりしながら、デルちゃんのそばでずっと過ごしました。
朝、8時頃になってだらっとしていた体を突っ張るような仕草をしだして、様子がおかしいと母を呼んですぐに、母を待ってちゃんとご挨拶をするかのように旅立っていきました。足も痛くて、体もふらふらなのに最後までちゃんと自分の足で歩いてトイレに行ったり、お水を飲んでくれたり、そしてこちらに負担をかけまいと本当にぎりぎりまで元気な様子を見せて、旅立ちのタイミングもすべて心得たように気を使い、他の猫もそうでしたが、いつも猫の最期までの気遣いには驚かされます。

ずっとご報告できなかったのですが、以前に美人(?)のミーニョンとご紹介した猫も昨年の12月8日に旅立ち、この子も最期まで変わった様子も見せずに、旅立つ前の日に急に倒れて、あっという間に旅立ってしまいました。この子は腎臓の値が急に悪くなってしまったのですが、あまりに急なことで母も私もショックでずっと心の整理ができずにいましたが、やっとミーニョンのことも受け止め、こうしてお話しできるようになったところです。

デルちゃんは猫の鏡!と我が家では呼んでいて、本当におりこうさんでけんかもしないし、いたずらも粗相もしたことがないし、おとなしくてそっとそばに寄ってくるような優しい性格でした。いつもねんねをしていたお気に入りの場所、デルちゃんのする可愛い仕草などが家のあちこちを見ると思い出されます。
まだ当分お別れは実感できませんが、トリノへの旅立ちにはデルフィが一緒に来てくれて見守ってくれるような気がしています。
ミーニョン、デルフィー、本当にありがとう!!!!!
興味を持ってくださった方は、デルフィー、ミーニョンでそれぞれブログを検索してみてください。元気だった頃の可愛い写真が出てきます。
落ち着いたらまた写真などを載せますね。

2010.05.18. Tue

イタリアにきました


デルフィとミーニョンのために温かい言葉を頂き、本当に感謝しております。
元気な頃のデルフィー、良かったら見てくださいね。

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デルフィーが旅立ってあっと言う間に2週間が経ち、今はイタリアに来ております。

21日からいよいよトリノ公演のためのリハーサルが始まります。
日本のオペラが一般的に1ヶ月以上お稽古があるのに対して、ヨーロッパでは劇場にとって新しいプロダクションではない限り、お稽古も数日。自己責任も増え、緊張感が高まりますが、素晴らしい歌手の皆さん、指揮者、オーケストラの方と共演できること、そしてボエームが初演された歴史あるトリノ王立歌劇場の舞台に立てることは本当に幸せなことです。

今年のイタリアは5月にも関わらず肌寒くて、雨も多く、世界的に異常気象なのですね。
またリハーサルが始まりましたら、様子をお伝えいたします。

2010.05.22. Sat

トリノの舞台に立ちました!


イタリアはやっとよい天気に恵まれるようになって、夏を感じさせる日差しに青い空が広がっています。
20日にトリノに入りまして、21日からお稽古が始まる!と楽しみにしていたところ、昨日の朝劇場から電話があり、昨日予定されていたムゼッタの方が急に喉の調子が悪くて歌えないとのこと。代わりに歌えないだろうか?というお電話でした。
私はまだお稽古もしていなかったし、昨日のキャストの方は練習もGP(最期に本番通りに衣装をつけてオーケストラとも合わせる稽古のこと)も既に終えられていて、私だけが何も知らない状態。やれるだけやってみようと言う気持ちでOKしました。
午後にピアニストの先生と少し個人的にお稽古をさせて頂き、演出家からざっと動きなどの説明を受け、3時間の間に自分の歌う場所の動き、衣装合わせ、マエストロとの打ち合わせを終えなければなりませんでした。
今思うと奇跡的にうまくいった感じですが、演出家の方の説明もとても具体的でわかりやすく、動きも歌にしっくりくるもので、楽しみながらあっという間に本番を迎えた感じです。すべてのスタッフがキャストが変わるというアクシデントをとても慎重に、そして丁寧にカバーしてくださり、衣裳も信じられない早さで私にぴったりなものにしてくださいましたし、靴を探しにいく方、メイクの方、劇場の方の手厚いケアも驚くばかりでした。
メイク室には有名な歌手たちの写真とサインがずらりと並び、控え室や廊下にも劇場の100年を記念するポスターが張ってあり、そういうものを眺めているだけでも嬉しくなるような空間でした。
劇場の音響もとても良く、舞台から見た客席の広がり方が何とも心地よい舞台で、オケのバランスなども最善を尽くされていて、本当に歌いやすい舞台です。
昨日のお客様はとても温かく、私にも歓声を上げて拍手してくださいました。
トリノの舞台、そして歌手の方も本当に素敵です!!
またご報告します。

2010.05.24. Mon

今日のゲネプロは。。


早速のコメントありがとうございます。
歌手の喉はやはりデリケート。明日は我が身で私も気をつけなければなりません。
皆様の温かい励ましや、お言葉がどんなに力になるでしょう!!
本当にありがとうございます。

今日は最後のGP(本番通りの稽古)のはずだったのですが、連日のお稽古で何となくみんなの集中力が散漫になり(1幕は私は見ていなかったのですが、こちらでも色々おこったようで)2幕の私の出番のちょっと前で、誰かがおぼんをひっくり返したのをきっかけにマエストロ(指揮者)がいなくなってしまい。。。しばらくして戻っていらっしゃいましたが「昨日は素晴らしい出来だったし、毎日少しずつ良くならなければならないお稽古の成果が、今日はこのまま行くと悪くなりそうなのでここで終わりにします!」とおっしゃられて、途中で終わってしまいました。
更なるハプニングでしたが、21日に一度舞台に立っていたのが幸いとも言えるのでしょうか,また、GPなしの本番になりました。

2010.05.27. Thu

トリノの初日が終わりました!


先ほど無事に本当の (!) 初日を終えました!!
今日は復習したり、一日を公演に集中して捧げようと、朝から充実した時間を過ごせましたが、それでも劇場に入る時間に近くなると、まだ勉強が足りないような。。今日は大事な日と思えば思うほど緊張しました。。。

前回は急なことだったので緊張している暇もなかったのか、今回は時間がゆっくりと流れるような気がして、自分の出番までの時間がとても長く感じられました。

幕が開くと、ロドルフォ、マルチェッロたちのびんびん響き渡る美声がモニターから流れます。「あ〜、今日はみんな調子いいな〜!」と思いながら、自分も発声したり、復習したり。そのうちに素晴らしいロドルフォのアリア、引き続いてミミの美しいアリア。「舞台袖に見に行きたいなぁ」とすごく思いながら「今は次の出番に集中」と楽屋に流れる音だけを聞いていました。

何度も何度も聞いたことのある名曲。でも実際に名歌手二人が舞台で歌っていると思うと、自分のことには全く集中できず、すっかり聞き惚れてしまいました。こんなことなら上に行って、袖で聞き惚れれば良かったと思いつつ。。

二人のアリアが終わるともう1幕もフィナーレ。合唱の方や、子供たちがもう舞台に来るように呼ばれています。1幕と2幕の転換は長い休憩なしで続いていくので、舞台裏のスタッフも転換の用意で大慌てで集められています。
2幕が始まると私も袖に呼ばれるので、緊張も高まってきました。

オペラの舞台は衣裳も大掛かりなことが多いので、役一人一人に専属の衣裳さんがついてくださいます。皆幕ごとに着替えがあるのですが、私についてくださっている方が、コールのかかる前に「今日は少し早めに行って、ゆっくり準備をしましょう」と声をかけてくださり、コールのかかる前に舞台袖に上がりました。コートを着て、ショールをつけて、いよいよムゼッタです!出番までのこの5分くらいだけしか、本番で使うコートやショールを身に着けることは出来ないので、この時間がとても貴重なのです。こういうところが、こちらのスタッフのさすが!と思う心遣いなのです。

長いショールをどのくらいのバランスでかければ扱いやすいか、動きに合わせてどう扱えばよいかなど、ここでちょっと練習です。
そうしているうちに出番が迫ります。
一緒に舞台に出るアルチンドーロ役のマッテーオさんに「Maki」と声をかけて頂き、「緊張してる?」などと聞かれ、少しおしゃべりをかわして、いよいよ舞台に入ります。お客様からはわかりづらいかもしれませんが、カフェ・モミュスの中にまず登場します。そこでは本当のカフェさながらに飲み物を飲む客、新聞を読む客、もちろんウエイトレスやボーイもたくさんいて(合唱やエキストラの方たちです)その方達と会話を楽しみます。外を見るとマルチェッロがいるではありませんか!彼らが「乾杯だ!」と言って立ち上がるとき、私は後ろから笑い出します。

さぁいよいよ始まりました。ムゼッタのテーマとともに舞台の前方へ歩いていきます。
vien Lulu! 一声目はうまく出ました。動きも教えて頂いた通りに出来ています。舞台が進むうちに少しずつ緊張もほぐれ、仲間たちが生き生きと演じているのにつられ、私ものびのび歌い演じることができました。

マエストロノゼダも情熱的かつ冷静に、私たちを導いてくれます。
ムゼッタのアリアもうまくいきました。舞台はどんどんうまく進行していきます。
2幕が終わるとがらりとシーンが変わります。これは7月に見に来てくださる方のために今は内緒にしておきますが、21日には幕が開いたとたんに拍手が起きたほどきれいなシーンです。

ムゼッタは3幕は初めの影歌(舞台袖で歌うこと)とまた笑い声、そして4重唱だけなので、今度は舞台袖にずっと張り付いて、ミミ役のフリットリさん、ロドルフォ役のアルヴァレスさんの歌と演技にうっとりでした。4重唱のマルチェッロとのけんかのシーンもうまくいき、いよいよ最終幕です。

4幕目はロドルフォとマルチェッロが恋人を思いながら歌う素晴らしい2重唱から始まります。なんてかっこいいんだろう!!と思いながら、舞台袖に上がっていくと、そのあとは男性4人の楽しいガヴォットのシーンです。踊ったりふざけたり、子供のようにはしゃいで舞台袖のみんなも、私もモニターを見ながら大笑い。

そうこうしているうちに出番です。終わりよければ、すべてよしになりますように!と願いながら、ここからが一番大事なシーン。駆け込んでいって「ミミの具合が悪いの!」と伝えるタイミングがうまくいくか、お祈りをどう捧げるかなど、2幕ほど動的ではありませんが、慎重に言葉と動きをこなさなければなりません。私よりひとまわりもふたまわりも背も高く、体の大きな男性陣の陰に隠れないように、歌う角度や立つ位置にも気をつけて。。
最後はロドルフォとマルチェッロがとてもリアルに歌い演じ、ミミの死を本当にみんなで涙で迎えました。

第1キャストの初日にいらっしゃるお客様は厳しい方が多いから、と伺っていたのですが、お客様もオーケストラも皆立ち上がっての大拍手。多くの歓声も飛ぶ、大成功のうちに幕を閉じました。

2010.05.31. Mon

トリノでの公演無事終了しました!


いつも温かいコメントをありがとうございます。
先ほど、トリノでの公演がすべて終了しました。
本当に夢のような、素晴らしい貴重な時間でした。
今日はそれぞれの歌手がますます調子良く、肩の力が抜けて本当にいい演奏でした。
マエストロもいつも見事ですが、今日はさらに音楽にも遊びがあり、忘れがたい演奏になりました。オケも劇場も本当に最高でした!!
お客様も大喜びで、皆さん舞台近くへ詰めかけて、オケの皆さんとともに手拍子を合わせて拍手をして、湧き上がる歓声に舞台にいるこちらの方が感動したくらいです。
歌手もマエストロもお客様の反応に、大喜びでした。
本当にトリノの舞台に立っているんだなぁと感慨深いものがあり、まだ余韻で胸がいっぱいです。
この興奮をまた日本で!!

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